Essay by Maruyama/連載エッセイ

vol.10「向こう三軒」
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 向こう三軒両隣りと仲良くやれば、毎日が楽しいものである。  伏見と厚別と真駒内にすんでいる仲の良い家族が、そろって移り住みたいというのを手伝って、三軒の家ができた。別々の家であるがコーポラティブハウジングと呼んでよい。三軒をまとめて「向こう三軒の家」と名付けた。
 きっかけは、子どもたちのために一軒家を建てようと思っていたGさんに、見晴らしの良い土地が見つかったことである。一軒置いて隣の土地も売りに出ているのを知って、50代のKさんに「近くに住もうよ…」と誘った。雪かきも、庭の手入れもいらないマンション住まいにすっかり慣れていたKさんだが、見晴らしの良さと近くに住めるということから、思い切って一軒置いた隣の家に住むことにした。今度は、その話を聞いたGさんの奥さんの両親、Uさんが落ち着かない。娘夫婦を取られたように思って嫉妬したわけではないが、一軒家を構えているにもかかわらず、どうしても近くに住むと言い出す。売りにも出されていなかったGさんの隣の土地をなんとか手に入れ移り住むことにした。すでに建っている一軒の家を挟んで三軒の家を新しく建てることになった。
 Uさんの今に置かれた大きな丸いテーブルには、この三軒に住む大人たちがいつでも集まれるように、七つの椅子が用意されている。そのうえ、GさんとUさんの家に囲まれた中庭は、外にある居間のように使われしょっちゅう人が集まる。三軒に囲まれた家の40代のKさんもすっかり仲間になってしまって、世代の違う家族四組も寄り集まって、向こう三軒の暮らしを楽しんでいる。子どもたちにとっては、とんでもない大家族であるが上手につき合っていて頼もしい感じである。
 はじめは向こう三軒だったが、周りの人を仲間に入れながらだんだん向こう三軒両隣のつきあいが深くなっている。
 さらに町内会にまで広がりそうな勢いである。近くに住む人たちのつながりこそ、町を作る基本であることを教えられた。

住宅雑誌リプラン・25号より転載
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